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『とにかく、この世界において、貴方達の生きる権利を侵す人はいません。ただ、それを持っている以上、貴方達が他人の生きる権利を侵す可能性のある者だと思われてしまいますので、ここにいる間は手放してください』

「「「……」」」

それでもやはり武器を渡そうとする者はいない。
どうしたものか、と爪を噛んだ。
その時…

「……Ok,」

伊達政宗は顔を上げると、真剣な目で私を見た

「信じていいんだな?」

『信じる、と言うのなら、証を』

両手を差し出すと、一つ頷いて腰の刀を外した


「伊達家の家宝だ。頼むぜ」

『承りました』

その後、片倉、真田、前田、長曾我部、毛利、と続いて、武器を預けてくれた。
猿飛佐助は最後まで渋っていたが、真田幸村の命令で武器を手放した

『…ご理解、感謝します』

「いいよー。いざとなったら素手でも殺せるから」


アハー、と笑ったその顔を殴り飛ばしたくなる。
でもそれを無視して、全員分の武器を物置にしまった


『貴方達が私を信用して武器を預けてくれたように、私も貴方達を信用して鍵はかけません』

「All Right, 安心しな」
「なつみ殿の信用を裏切るような真似は致しません!!」
「男に二言はない」
 
口々に言った姿を見て、はぁーっと長く息を吐いて扉を背に座り込んだ

「なつみ!?」
「どうしたんだ?」

長曾我部元親と片倉小十郎が慌てて駆け寄り肩に手を置く。
それにヘラリと笑った

『緊張が…』

「「「は?」」」

『いや、一般人の小娘が、武装した見知らぬ男に囲まれて緊張しない訳ないじゃん』

あー…疲れた…。
肩凝ったー…

「「「……」」」

次の瞬間、誰かが吹き出した

「ぷっ…あははははっ!!」

それを合図に、全員が笑い出す。
私は今随分間抜けな顔をしてるんだろうなとぼんやり思った


ツヅク

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