カラフル

□14色
2ページ/3ページ



ああ耳が痛い…とソファに横になる。
目の前では真田が申し訳なさそうに正座をしている

『健の悪ノリにいちいち反応しないでくれます?』

「し…しかしあれは…」

『ほっぺチューくらい、なんて事ないじゃないですかー…』

ねぇ?と風魔を見上げるが、無言でそっぽを向いた。
……あれ?


『なんか、怒ってる系?』

「……」

あれ〜?どうしよう…。
風魔がリアクションをくれない。
猿飛は片倉、伊達と一緒に料理中だから、助けも来ない


『…ねぇ』

「……」

そのまま無言でリビングを出て行った


「なつみちゃん、あの忍さんになんかした?」

『いや、してはいない…』

コソッと話しかけてきた前田に、同じように小声で返す。
すると、突然目の前が真っ黒になった


「わぁっ!?びっくりした!」

「……」

風魔が私と前田の間に立つ。
くるりとこちらを向けば、濡れた手拭いを差し出された


『?』

「……」

わからない、と目で訴えると、スッとしゃがんで頬を拭く。
なるほど。健のキスが気に入らなかったのか


『ありがとう。でも毒とかそんなんはないから平気だよ』

「……(コクリ」
 
頭を撫でながら礼を言うと、一つ頷いて控えるように少し下がった。
時代劇風にアテレコするなら
「出過ぎた真似を致しました」
といったところだろうか


「お、仲直りしたのかい?ならこっちも入れてやれよ」

見れば真田が先ほどよりも小さくなっている。
垂れ下がった耳と尻尾の幻覚が見える…

『…そんな落ち込まなくても…』

「なつみ殿はやはり某が嫌いなのでは…」

『嫌いならとっくに追い出してますよ』

「……!ならば…」


にこっと笑ってみせると、真田も頬を染めながら嬉しそうに笑った


ツヅク

→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ