カラフル

□15色
3ページ/4ページ



がっくりと肩を落としたのは、長曾我部だけではなかった

『健が買い忘れたみたい。ごめん』

「いいよ〜。気にしなくて」

明日買い出しの時に酒も買おう。
あ、お菓子も買わなくちゃ


『…さて、と。私お風呂…湯浴みして来まーす』

そう言って食器を持って立ち上がったところ、ぐいっと毛利に袖を掴まれた

「待て。何故貴様が先に入る」

『え?先に入りたい系?』

「無論」

『え…じゃあ私に、野郎が使った後の湯に入れと?』

「……」

『……』


なんで?いや、信じられない。という視線を送ると、無言で手を離した。
ポンポンと肩を叩く長曾我部に八つ当たりしていたが、誰か止めるだろう

着替えとタオルを持って脱衣場へ。
後がつかえてるから、さっさと入ってさっさと上がろう。
髪と体を洗った後、薔薇の薫りの入浴剤(ピンク色)を入れて、ふーっと長く息を吐きながら湯に浸かった


「気持ち良さそうだねー」

『うんー…って!?』

浴槽の縁に腰を下ろし、笑顔で見下ろしている猿飛。
入浴剤を入れていて良かったと心底思った


「ホラ、今日から一緒に暮らすんだし、背中でも流そうかな〜って」

『いらない!出てって!!』

「え〜?なつみちゃん冷た」
 
その後の言葉は続かなかった。
真田と毛利以外の男達が、猿飛を羽交い締めにして風呂場から引きずり出したからだ。
…伊達は名残惜しそうだったが、結局片倉に連れて行かれた


『ねぇ…』

おそらくいるであろう風魔に話しかけると、向こうを向いた状態で現れた

『脱衣場の前の扉、見張ってて』

「……(コクン」


風魔が消えた後、本日何度目かわからないため息を吐いた


ツヅク

→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ