カラフル

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買い物から帰ると、予想通り風魔が家の前で待っていた

『ただいま。ちゃんといい子にしてた?』

「……」

反応がない。
まあいいや、と荷物を持って家に入ろうとする。
しかし風魔は私の手を掴み、ふるふると首を振った。
何かものすごい嫌な予感がする。
そしてそれは後ろの三人も同じだったようだ


「何やりやがったんだ…」

「なつみ殿…」

「……我は知らぬ」

『離して?』

「……(フルフル」

息を吐くと、声のトーンを一つ下げた

『離せ』

風魔は少し躊躇いながらも手を離した


『…………どういう事?』


びちょびちょに濡れたカーペット
割れた花瓶
脚が折れてひっくり返ったソファ
部品が飛び出たテレビ
壁に空いた穴…etc

『何が…』

あった、とまでは言えなかった。
すると、実は…と猿飛が口を開く


「お世話になってるお礼に掃除をしようって話になって…」

「某…掃除など初めてでござった故…」

「わ、悪気はなかったんだ…」

「てれびってやつも掃除のついでで…」

『……並べ』

「あの…『並べ』

 
一列に並んで正座した男達を見下ろす。
後ろでは君子危うきになんとやら…、近づきも声をかけもしない買い物組が成り行きを見守っていた


『考えられない』

ギロリと睨みつける

『…誰が言い出した』

「それは、その〜『誰が言い出した?』

「「「……」」」

全員無言で前田を指差す。
頭を掻いてまいった、という顔をする前田に、ゆっくりとした足取りで近づく

「いや、良かれと…ブヘッ!?」

言い切る前にスリッパで横っ面を叩いた。
頭よりもリアルに痛いだろう


 
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