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「……っ!?」
私が取った行動に、全員が目を見張った。
驚きに口を開けて、私と長曾我部を凝視しているのを感じた
『…良かった』
長曾我部の首に腕を回し、安堵の息を漏らす。
突然の展開に周りは一切ついて来れないようだけど、それに構わず長曾我部の頬を両手で包み、薄く笑う
『怪我、ないよね』
「あ、ああ…」
『テレビの電源着けたままやったんでしょ?感電してなくて、安心した』
「なつみ…」
次いで、真田の頭を撫でる
『貴方も、怪我なくて良かった。猿飛さんが花瓶片付けてくれたの?』
猿飛は、躊躇いがちに頷く。
頭を抱え込むように抱きしめた
『ありがとう。でも、手切ったりとかしたら危ないから、これからは止めてね。もちろん、花瓶を割らないのが一番だけど』
ね、と首を傾げて真田を見れば、情けないくらい小さくなっている。
よしよし、と宥めるように頭を撫でた後、前田の手を取った
「なつみちゃん…俺…」
『お掃除してくれようと思ったんだよね』
「本当にごめん。余計な事しちまって…」
『ううん。嬉しい。その気持ちだけで十分だよ』
「なつみちゃん…」
そして最後、私に叱られて一番凹んでいる風魔の前で頭を下げた。
風魔はそれを見て、慌てて私の顔を上げさせた
『ごめんね。いきなり怒っちゃって』
「……(フルフル」
『貴方は喋れないから電話も使えないのに、監視しててって難しかったよね。私が無責任だった』
「……(フルフル」
『貴方も、怪我とかない?』
「……(コクン」
良かった、と言って抱きついた
『理由もなしに怒ったりしない。貴方達が心配だから、大切だから怒ったのよ』
「……(コクン」
そう言うと、風魔は躊躇いなく抱き返す
さて、コイツらも十分に反省しただろうし、伊達、毛利のわがままコンビにもいい見せしめになったな…
風魔の首に顔を埋め、心の中で呟いた
ツヅク
→あとがき