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長曾我部から一升瓶を取り上げ、真田と伊達にはこの世界では20歳以上にならないとお酒を飲んではいけないという事を教えた。
もちろん、三人のブーイングは無視した
「んな固い事言わねーで、一緒に飲もうぜHoney?」
『いらない。健送ってかなきゃだし』
「俺代行で帰ってもいいけど?」
『どうせ明日朝早いから、こっち戻んないでそのまんま向こうで寝ようと思って』
私の言葉を聞いた瞬間、すっと室内が静かになった
『何?』
「なつみ殿は、今夜は別の場所でお休みになるので?」
『うん。初めに言ったよね。家、別にあるって』
「朝早いって…用事でもあんのかよ」
『うん。ちょっとね』
「何があるんだい?」
軽い笑顔でお茶を濁そうとする私に、前田が首を傾げる
『ま…法事ってやつ』
それを聞いた途端、前田は気まずそうに眉を寄せた
「えーっと…」
『いいよいいよ。でも、それ以上は聞かないで。答えたくないから♪ね?』
にこっと笑って健に同意を求めると、まーね、と気の抜けた返事が返ってきた。
男達は不満げな顔をしていたけど、毛利がお風呂から上がってきたので、それ以上追求する者もいなかった
『じゃ、私髪乾かしてくるから。ビンとかコップの片付けやっといてね』
部屋に戻って髪を乾かし、着替えを済ませるといつの間にか風魔が部屋の隅に立っていた
『…どうかした?』
「……」
何も答えないのはわかってたけど、ちょっと気まずい沈黙が流れる
『…一緒に行きたい…とか?』
「……(コクン」
さて、どうしたものかと考える。
法事の間マンションにおいておけば特に不都合はないけど、それを了承するかな
『私がお寺に行ってる間、家の中でおとなしくしてられる?』
「……(コクン」
『…うーん…ならいいか。お風呂まだだよね?着替え、そこのカバンに入れて』
風魔は一度膝をつくと、テキパキと着替えを詰めだした
ツヅク
→あとがき