カラフル

□32色
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猿に飽きたところで、昨日の粗大ゴミ達を引き払うべく業者に電話をした。
意外とすぐに来たので、引き取り料を払って持って行ってもらった


『つーか広いなぁ…』

妙にガランとしたリビングにため息を吐くと、長曾我部が申し訳なさそうに肩を竦める

「悪い…」

もういいよ、と軽く背中を叩く


『あ、そういえばさ、日記書いた?』

「ああ。それならなつみが言った場所に纏めておいてあるぜ」

『ありがと。じゃ、私部屋にいるから』

そう告げて、リビングにある引き出しの中からノートを取り出し部屋に入る。
赤、青、茶、黄、紫、緑…迷彩柄はさすがになかったので、被らない色としてオレンジ。
カバンから風魔の黒のノートを出す。
それぞれわかりやすい色にしようとした結果、メーカーはバラバラになったけど、とりあえずページを捲る

最初のページは、だいたいの者が自分達を受け入れてくれた事に対する礼と、これから頼むという内容だった。
数人が、それとなく外の蔵について触れている。
風魔は…一昨日と昨日の献立?
悩んでいたように見えたのは、献立を思い出していたのかな…。
まあ、それ以上にわからない人もいるけど
 
『お館様ばっか…』


真田のノートには、自分が仕えている武田信玄の事ばかり書いてある。
確かに何も書く事がなかったら元の世界での事を書いていいとは言ったけど…初っぱなからか真田…。
予想外にも程があるよこの人…。
他にも片倉、猿飛は料理について書いてたり、前田は恋バナが書かれている。
意外や意外。
毛利のノートにはよく長曾我部の名前が出てくる。長曾我部も同じだ。
そして何より、英語と日本語が混ざった上に個人名が省略された伊達の日記は、とても解読が面倒くさかった。
このHはHoney=私の事か?

個性的な日記を読み、それぞれに返事を書く。
そうしている内に夕飯ができたと呼ばれたので、ノートを携えて階下に下りた


 
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