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『わぉ、洋食だ』

キッチンには、本の写真と寸分違わぬ程美しい出来栄えの料理達。
昨日器具の扱いとか、用語の説明とかしたばっかりなのに…

「Pumpkinsoupだ。美味そうだろ?」
「鯵の"ふらい"ってやつ作ったよ」
「揚げ茄子とトマトの"さらだ"です」

妙に発音のいい伊達と、今イチ言い慣れない猿飛、片倉。
すごいすごいと料理を見渡せば、それぞれ誇らしげな顔をした


「本っ当に美味そうだねぇ」
「あー、もう待てねえ」
「佐助!早く座れ!!」
「我を待たせるな」
「……」

テーブルに料理を運び終わり、全員が席に着くと同時に、真田がいただきます!!と声を上げた


『美味しい!!でも、やっぱフライにはタルタルソースだなぁ』

「樽足る?」

『マヨネーズがベースのソースなんだけど、後で作り方教えるね』

「じゃあ次はなつみちゃんの好みに合わせ「佐助!おかわり!!」

見事に猿飛の言葉を遮り、ドンブリを突き出す真田。
猿飛は一つため息をついてご飯をよそった


「もう少し味わって食えねーのか…」

『無理だろうねー』

眉を寄せた片倉のぼやきに苦笑いを返した


『あ、そうそう。明日テレビとソファ買いに行くから』
 
そう言えば、食べ物に夢中だった真田が顔を上げたので先手を打つ

『真田さんは連れていかないよ』

「なっ…」

「という事は、俺様もまた留守番ね…」

肩を下ろす二人にごめんと謝って、長曾我部と前田を見る


『という事で、今回は長曾我部さんと前田さんに着いて来てもらうから』

「よしゃあっ!!」

「楽しみだねぇ♪」
「キッ♪」


無邪気にはしゃぐ二人(と一匹)に、にっこりと笑って一言

『ソファとテレビ壊した張本人だしね』

「そういう事か…」

「わかったよ…」

喜色満面の顔が、一変して気まずそうに歪んだ。
前田の肩で首を傾げる夢吉が可愛い


ツヅク

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