カラフル
□34色
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お風呂の間、日記を書いておくように言い残しダイニングを出る。
部屋で着替えを用意している時、ふと疑問符が浮かんだ
………何故にジャージ
家から持って来た着替えは少ない。
ぶっちゃけこの家にはめったに人が来ないから、夏になろうという今、下着姿で過ごしてもいいやと思って持って来なかった。
それなのに何故私はジャージを着なきゃならないんだろう?
彼だ。
真田の「破廉恥」のせいで私はジャージを着るはめになった。
肌を隠せて、さらにリラックスできるのがこれくらいだったから
『……』
むう、と口をヘの字に曲げる。
私は今この家の主。
居候の彼に従う義務はない。
よし!と勢いよく立ち上がる。
下着姿やインナーで何が悪い!ここは私の家だ。隠すところだけ隠れてればいいじゃないか!
完全に開き直って部屋を出ると、脱衣場の前に風魔が待っていた。
ご苦労様、と声をかけて脱衣場に入り、迷いなくジャージを洗濯機に入れてスイッチを押した。
ふふ…と笑みを浮かべ、上機嫌でお風呂に入る。
鼻歌でも歌おうか
『あー気持ち良かった♪』
本当に鼻歌混じりに脱衣場を出ると、ドアの前で日記を書いていた風魔が顔を上げる。
瞬間
「……っ!?///」
ボンッと、火が出たのではと思うくらい顔を赤くさせ、慌てて向こうを向いた
『可愛いでしょ?このスリップお気に入りなんだー♪』
「……///」
こっちを見ようとしない。
仕方ないなぁ、と一つ息を吐いてリビングに向かう。
すると、その手を風魔が掴んだ
『何?早くリビング行こう』
「……(フルフル」
『ダメ?なんで?』
無言で私を指差す。
この格好がダメだと言うのか
『大丈夫だから、行こう』
「……(フルフルフル」
『ちょ、とりあえず手、離し─「なつみちゃん?どうかし……」
肌を露出した私、その手を掴む風魔、離せ離さないの攻防戦。
リビングから顔を出した猿飛が目を見開いたまま固まった
「ふ…風魔の旦那がなつみちゃんを襲っ──ゴスッ
「……」
風魔の踵落としが見事に決まった