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「もう旦那を手懐けるなんてねぇ…」
上手く言いくるめた私に、猿飛が感心する
『お館様って…お館様って…』
ずーん、とショックを受ける私の頭をポンポンと軽く叩いて、座るように促した
「あれ、どうしたの?なつみちゃん」
何時までも立ったままの私に、猿飛だけでなく男達が首を傾げる
「Honey,Sit down」
「こっち座りなよ、なつみちゃん」
「お館さ『ひっぱたくぞチクショー』
殴ってくだされぇぇぇぇ!!と叫ぶ真田は無視して、うーんと唸る
「座れって」
『床に?直接?私が?』
まあ、戦国時代地べたでも板間でも直接座るのは慣れているんだろう。
でも自分で言うのも何だが、私はお嬢様育ちなので畳の床にも直接座るなんて習慣はない。
フローリングなら尚更だ
「……」
『…風魔さん、私の体に触るの嫌?』
「……っ(フルフルフル」
『んじゃ、そこに胡座かいて座って』
「……?(コクン」
おとなしく私の指示に従う。
座ってこちらを見上げる風魔ににこりと微笑むと、胡座の中に腰を下ろし、彼に背を預ける形で座った。
風魔の腕は私のお腹のところで組んでおく
『座椅子♪』
「っ!!///」
首だけ後ろを向いて笑えば、赤くなった顔を逸らした。
それにあはは、と笑っていると、風呂上がりの毛利がリビングのドアの前で渋い顔をした
「何をしている…」
『イチャイチャ?』
「……」
毛利は無言で踵を返す。
暫くして、手にバスタオルを持って帰って来た
「これを敷くがいい」
『え?』
「直接でなければ良いのだろう。早くそこを退き、我の髪を乾かせ」
そう言うと、自分もバスタオルの上に座って向こうを向いた
「素直じゃないねぇ…」
「黙れ」
前田を睨む毛利に笑って、半分空いたスペースに膝を立てて、毛利の髪を乾かした
ツヅク
→あとがき