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「キキッ」

『前田さーん、夢吉がー』

「ごめん。夢吉、こっち来い」


フロントをうろつく夢吉を前田に任せ、大型家電量販店へと車を走らせる。
因みに家に残してきた武将&忍達には、それぞれ庭の草むしりや掃除なんかを言いつけてきた


『まずテレビ買うから。つか煩い』

長曾我部がボリュームを上げたので、マイケルが大声で人種差別の歌を歌う。
それを黙らせ、左にウインカーを出し駐車場に車を停めた


『夢吉、ほら、これに入って』

「キィ…」

お人形の赤ちゃん帽を被った夢吉が不満げに鳴く。
しかしペット持ち込みが禁止されてる店内に、猿を連れて行けるはずがない。
仕方なく夢吉にはぬいぐるみのフリをしてもらう事になった

『夢吉』

「大丈夫だから、な?」


前田の言葉に漸くバッグに入った夢吉に、ごめん、と言って、店内に足を踏み入れた


「すっげー!全部からくりか?なつみ、あれ何に使うんだ?」

『声おっきい。とりあえずテレビ見よう』


と言っても、特に家電に詳しくもないので結局は店員任せ。
一番新しくて、容量が大きいのがいい、と言ったら、ちゃんと注文に合ったテレビを薦められた
 
「色はブラック、シルバー、ホワイトからお選び頂けます」

『うーん…何がいいと思う?』

「わかんねえ…」

『だよね。じゃ、シルバーで』


3Dテレビにちょっと惹かれながらも、結局は世界の亀山工場製、ブルーレイ内蔵60型のテレビを購入し、さて次だ

『っていうかね、電気屋さんって、欲しい物増えて困る』

洗濯乾燥機とパソコンもこっちの家用のが欲しいし、何ならエアコンもマイナスイオンにしたいし冷蔵庫も大きい方が…。
ぶつぶつと独り言を言いながらお掃除ロボットを見ていると、ふと、自分が一人だと気づいた

『ヤバっ…どこに行ったのあの人達!?』

また逆ナンでもされてるんじゃ…と一瞬思ったけど、周りを見渡せば男性客が大半を占めている。
今回はそっちの心配はなさそうだ。
それよりも今は目の前の温泉卵器。
茹で卵、半熟卵、温泉卵がこれ一つで?買いだね!

とりあえず見た商品は全部購入する事にして、二人を探そう。
さて、いったいどこに行ったのか…


ツヅク

→あとがき
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