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「そういえば、忍さんの布団は買わなくていいのかい?」
カーペットを買って、私の布団カバーを選んでいた時、ふと前田が思い出したように言った
『えー?風魔さんは一緒でいいよ』
「つったって、あいつも男だぜ」
『風魔さんはどちらかと言うと夢吉寄りだから大丈夫だよ』
ねー?と夢吉を突っつくと、キィ?と首を傾げた
『さて、と。あとはカーテンとチェストとドレッサーと…「まだ買うのかよ!?」
長曾我部がうんざりした顔をする。
前田も、少し疲れたような顔を見せた
『もう疲れたの?武将って体力なーい』
「つーか金使いすぎじゃねぇか?なつみ、いったい今日だけで幾ら使ったんだよ」
『さぁ?計算してないからわかんない』
「わかんないって…大丈夫なのかい?」
『だって私のお金じゃないし。あ、出所は言いたくないから聞かないでね』
「「……」」
微妙な表情の二人に、内心ため息をつく。
本当にお金については心配無用なのに
『じゃ、とりあえずこれだけ買って、どこかで休憩しよっか』
バラとリボンとレースがたっぷりのお姫様チックな布団カバーを買って店を出る。
そのまま近くにあるオープンカフェに向かった
『夢吉、ここは外だから出ていいよ』
そう言うと、夢吉がピョンと前田の肩に乗る
「なつみちゃん、本当にいいの?」
『うん。ここペット連れでも大丈夫なところなんだ。ほら、動物用のお菓子だってあるし』
メニューには犬や猫が食べても大丈夫なお菓子や料理が沢山ある。
長曾我部も前田も感心したようにそれを見た
「犬専用の菓子なんてなぁ」
「面白いねぇ」
二人には紅茶とショートケーキ、私はミルクティーとフルーツパフェ、夢吉にはペット用のバナナのケーキを頼んだ。
毒味は必要かと聞いたら、少し迷った後、大丈夫だと言われた
「キィッ♪」
『夢吉、バナナお気に入りだねー』
「ばなな?その白いのの事?」
『果物だよ。甘くて美味しいの。前田さん、あーん』
パフェに乗っていたバナナを前田に差し出すと、少し照れながら口を開けた。
美味い!と言う前田に、やっぱり飼い主とペットは似るんだなぁと思った
ツヅク
→あとがき