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家に帰る前に、減ってきた冷蔵庫の中身を買いにスーパーに寄った。
再びぬいぐるみに身をやっした夢吉にはバナナを買ってやると、直ぐに機嫌を直した。
粗方食材を買い終え、さて帰るかと車に乗り込む。
残して来た武将達は大丈夫だろうか?


家に着くと、やはり風魔が出迎えてくれた


『ただいま。今日は良い子で待ってた?』

「……(コクン」

今日は大丈夫だったらしい。
草むしりも済んだようで、綺麗になった庭に機嫌が良くなる


『ただいま』

「お帰りなさいませ!なつみ殿」

『庭、すごい綺麗になったねー。ありがとう』

「でしょー?右目の旦那がすごい張り切っちゃって…」

『片倉さんが?』

ため息を吐く猿飛に首を傾げると、ちょうど片倉が裏庭の方から現れた

「なつみ殿…」

私を見るなり駆け寄ってくる。
服が泥だらけだけど、そんなに一生懸命草むしりをしたのか

『なんか…大変だった?』

確かに庭は広いけど、裏庭までやれとは言ってない。
それに、表には元々言うほど草が生えてた訳じゃないから、午前中で終わると思ってたけど…。
やっぱり戦国武将達には難しかったかな


『ごめんねー慣れない事やらせちゃって』
 
「そのような事はございません。それで…なつみ殿にお願いがあるのですが…」

お願いという言葉に何?と聞くと、片倉はこちらへ、と裏庭を示した。
そこには、綺麗に整備された畑が広がっていた


『……何が…』

「なつみ殿、俺にこの畑で野菜を作らせていただけませんか?」

『っていうか、え?畑だったんだ』

「ご存知なかったのですか?」


ウチには庭弄りをする人もいなかったし、家庭菜園なんて言うのも勿論やった事がない。
草原だった場所が本当は畑だったとは…

「なつみ殿?」

『あ…うん。いいよ。片倉さんに任せる』

「っ! ありがとうございます。それで…」

『えーっと…種?苗?よくわかんないけど、今度一緒に買いに行こう』


そう言えば、片倉は口元に笑みを浮かべて頷いた


 
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