カラフル
□39色
3ページ/4ページ
片倉に付き合わされて畑に出ていた伊達を回収し、先ほどのカフェで買ってきたケーキと共に午後のティータイムとした
「うむ!こちらの甘味はどれも美味にございますな!」
「旦那、口の周りベタベタじゃん。ほらこっち向いて」
「んぐ…すまぬな佐助」
自分が食べる手を止めて真田の世話を焼く猿飛は、自分の立場をどう思っているんだろう
『風魔さん、私がああいう風に口の周り汚してたら拭いてくれる?』
「……(コクン」
『ふーん…じゃあアレは忍として普通なんだ?』
「……(フルフル」
普通じゃないらしい
「ねぇ、なんか嫌な会話してない?」
「……(プイッ」
猿飛の言葉を無視し、タルトを口に運ぶ。
真田と違い、特に甘い物が好きだという訳ではない彼も、こちらの世界のスイーツには興味を示し、甘いよ、と注意をしても食べる。
それは他の武将達も同じで、毛利はフルーツがたっぷり乗ったショートケーキを食べている
『毛利さん、それ美味しい?』
「……悪くない」
『あ、そういえばお風呂…湯殿、とっても綺麗になってた。ありがとね』
「ふん…我の手に掛かれば当然よ」
毛利には留守の最中にお風呂掃除を頼んだ。
初日に健の説明を聞いていなかった彼にシャワーや石鹸、シャンプー類を教える為だ
『でも大変だったでしょ?私、毎日湯殿のお掃除ですごい疲れるもん。今日毛利さんに頼んで良かった。私じゃあんなに綺麗にできないし』
ここまで言えば、毛利の次の言葉を待つだけだ
「ならば明日からは我に任せるが良い」
『えっ…でも大変だよ?』
「貴様とは違う。我にとってはあれしきの事造作もない」
『毛利さん…ありがとう!』
そう言って私のケーキに乗っていたイチゴを毛利のケーキに乗せる。
ふん、と鼻を鳴らすも、少し自慢気に周りの武将達を見る彼は、とてもチョロイと思った。
「知将」として名高い、という長曾我部情報はウソ臭い
『本当、毛利さんはシンプルで助かるー♪』
「Honey…アンタもなかなかだな…」
伊達の呟きは笑顔でスルーした
ツヅク
→あとがき