カラフル

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片倉に付き合わされて畑に出ていた伊達を回収し、先ほどのカフェで買ってきたケーキと共に午後のティータイムとした


「うむ!こちらの甘味はどれも美味にございますな!」

「旦那、口の周りベタベタじゃん。ほらこっち向いて」

「んぐ…すまぬな佐助」

自分が食べる手を止めて真田の世話を焼く猿飛は、自分の立場をどう思っているんだろう

『風魔さん、私がああいう風に口の周り汚してたら拭いてくれる?』

「……(コクン」

『ふーん…じゃあアレは忍として普通なんだ?』

「……(フルフル」

普通じゃないらしい

「ねぇ、なんか嫌な会話してない?」

「……(プイッ」

猿飛の言葉を無視し、タルトを口に運ぶ。
真田と違い、特に甘い物が好きだという訳ではない彼も、こちらの世界のスイーツには興味を示し、甘いよ、と注意をしても食べる。
それは他の武将達も同じで、毛利はフルーツがたっぷり乗ったショートケーキを食べている


『毛利さん、それ美味しい?』

「……悪くない」

『あ、そういえばお風呂…湯殿、とっても綺麗になってた。ありがとね』

「ふん…我の手に掛かれば当然よ」

毛利には留守の最中にお風呂掃除を頼んだ。
初日に健の説明を聞いていなかった彼にシャワーや石鹸、シャンプー類を教える為だ


『でも大変だったでしょ?私、毎日湯殿のお掃除ですごい疲れるもん。今日毛利さんに頼んで良かった。私じゃあんなに綺麗にできないし』

ここまで言えば、毛利の次の言葉を待つだけだ

「ならば明日からは我に任せるが良い」

『えっ…でも大変だよ?』

「貴様とは違う。我にとってはあれしきの事造作もない」

『毛利さん…ありがとう!』

そう言って私のケーキに乗っていたイチゴを毛利のケーキに乗せる。
ふん、と鼻を鳴らすも、少し自慢気に周りの武将達を見る彼は、とてもチョロイと思った。
「知将」として名高い、という長曾我部情報はウソ臭い

『本当、毛利さんはシンプルで助かるー♪』

「Honey…アンタもなかなかだな…」

伊達の呟きは笑顔でスルーした


ツヅク

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