復活

□*知恵の輪
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「ねぇねぇ、君。」


クリスマスケーキを注文した帰り道。
路地裏で急に呼び止められる。


「えっ?俺??」


振り返ると見覚えのある人がいた。
ナイフを持ったアイツ。


「あっ!やっぱそうじゃん!ボンゴレ十代目じゃん!こんなとこで会えるなんて…しししし♪やっぱオレって王子☆」


何でコイツがココにいんの?!
イタリアに帰ったんじゃなかったの!?
撹乱する意識の中、俺は他人の振りをすることに決めた。
回れ右して、見なかったことにしよう。


「ちょっと…おぃ!シカトすんなよ。」


コイツに関わるとろくな事が無い…ってか、命が危険に晒されるに違ない。


「た、他人の空似なんじゃないですか?おっ、俺“ボンゴレ十代目”なんて名前じゃないし。」


「しししし♪じゃあ、コレ何だよ?首から下げてるヤツ。」


そう言って、ベルは俺の首に下げられていたボンゴレリングを引っ張った。


「イタッ!あ!…えーっと、こっ、コレはただの…あっ…アクセサリーだよ!」


「ふーん…。しししし♪お前ってウソつくの下手だね。リングに“VONGOLA”ってしっかり書いてあるじゃん。」


「!!」


しまった?!
もぅ、騙しきれないと思い、俺は正直に白状した。


「……何でお前がココに居るんだよ!イタリアに帰ったんじゃなかったのか?」


「だってオレ王子だもん☆」


ナイフ片手のベルはさらりと答える。
それは俺の質問に対する答になっていないんじゃ…と、心の中で突っ込む。
今ナイフ片手のベルにそんな事言ったら…絶対斬られるに違いない。


「し、質問変えるよ…並盛に何の用があってきたんだよ?!」


「ん〜…オレ今日誕生日なんだよね〜…。」


それがどうした!?
俺には関係ないぞ!!
段々と近付いてくるベルから遠ざかるべく、一歩また一歩と後ずさる俺。


「へ、へぇ〜…おめでとう。」


とりあえず、祝っておく。
後ろの塀に背中が当たり、逃げ場を失う俺。
しかも、追い討ちをかけるように、ベルが壁に両手をつき、完全に逃げ場を失った。
獄寺君風に今の状況を言うと「ジ・エンド・オブ・俺…!」。


「プレゼント…頂戴☆」


「え?!今、俺何も持って無いよ〜!」


「しししし♪イイの持ってんじゃん!ココに…☆」


そう言いながら、ベルは太腿から這うようにして、俺の股間を擦った。
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