復活
□*大晦日の夜に…
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ガヤガヤガヤ…
「すみません!破魔矢と御札下さい!」
「は〜い!少々お待ち下さい!!」
俺は手早く破魔矢と御札を袋に詰める。
「二千円になります!」
袋を差し出しながら、半叫ぶ様に答える。
すると客は五千円札を差し出した。
「三千円のお返しです!ありがとうございました!!」
お金を受け取り、ニッコリ笑顔でお釣を差し出しながら見送る。
「はぁ…疲れたぁ〜。」
かれこれもう二時間近く働きっ放しだ。
右手で自分の左肩を揉みながら、首を回す。
俺は今神社で“巫女”のアルバイトをしている。
何故男の俺が“巫女”なんて女子のアルバイトをしているのかと言うと……三時間前に遡る……。
***
「おぃ、ツナ!特訓の時間だぞ!!」
大晦日の夜9時過ぎ。
のんびりベットの上でマンガを読んでいると、いきなりリボーンが話しかけてきた。
「え゛!?」
全身で拒否反応を示す俺。
「何で!?また誰か敵が襲ってくるの?!」
「ちげぇよ。……そんなに襲ってきて欲しいのか?……ホントドMだなお前は……。」
「う゛……。」
結構ヒドいことをさらりと言うリボーン。
「じゃあ、何で特訓する必要があるんだよ!」
仕返しとばかりに突っ込む俺。
「大晦日の夜にベットの上でマンガ見ながらゴロゴロするマフィアのボスは、ろくなボスにならねぇぞ。…それに、今回のは雲雀の紹介でもあるからな。あいつしては珍しいよな。」
「だから、俺はマフィアのボスになんかならないって!…って、何で雲雀さん!?雲雀さんの紹介って一体何やらされんの、俺?!」
びっくりし過ぎて、ベットの壁際まで下がり、壁に後頭部を激突させる。
「痛ぇ〜!」
うっすら涙を浮かべて、後頭部を擦りながら呟く。
「あの雲雀さんが俺に頼み事って……一体何だろう…?しかも特訓って…リボーン何か知ってるだろ?!てか、絶対何か裏が有りそう……。」
白目になって震えながら想像してみる。
何かの囮になって欲しいとか、生贄になって欲しいとかそんな類のものだろうか?
はたまた、タダの見せしめや日頃の鬱憤払いのために咬み殺されるのだろうか?
嫌な想像ばかりしてしまう。