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□いちごみるく
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「ハルー、…何飲んでるの?」
「いちごみるく。いん練乳」

遥の答えに満は思いきり怪訝そうな顔をする。

「また…そんなもの飲んで。虫歯になるよ?」
「おいしーもん。それに、ちゃんと歯磨きだってしてるし」

そう言ってなおも飲み続ける遥に、何気ない顔で近づき、ふいにその唇を奪った。

「んっ…!?」
「やっぱり甘い…」

少し眉をしかめる満とは対照的に、不意打ちに弱い遥は真っ赤になって固まっていた。
その様子を見て満がくすりと笑みを零す。

「あぁ、そうそう、ハル。虫歯ってキスすると移っちゃうらしいよ?」
「ぇっ、」
「俺に移したくなかったらちゃんと歯磨きするか、それ飲むの控えようね」

一呼吸置いた後、小さな声で、はーい、と間延びした返事をした遥に、満はもう一度触れるだけのキスをした。




いちごみるく



(で、結局どうする?)
(歯磨き、今まで以上にちゃんとするっ)
(ハル、そのうち虫歯じゃなくて糖尿病になるよ…)

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