月夜草子
□Dark Rose
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「おにーたまぁ。しんくんと、おしょといってもいいでしゅか?」
「ダメ」
「どうちてでしゅか?らくしゅ、おしょとにいきたいでしゅ」
「ラクスは僕の事嫌い?僕と一緒に居たくない?」
「らくしゅは、きらおにーたまがいちばんしゅき!!」
「じゃあ、一緒に居よ?」
「あい!!」
プクプクした体を抱き上げ、僕が大好きな生糸のような薄紅の髪を撫でる。
ラクスは僕の首に嬉しそうに小さな手を回し、額と瞳を重ね合わせれば、空色の綺麗な大きい瞳を幸せそうに細めた。
「愛してるよ。ラクス」
愛してる。愛してる。
僕の、大切な、
………妹。
だけど、
愛してる。愛してる。
愛してる。愛してる。
僕の、愛しい、永遠の、
たった一人の女……
【Dark Rose】