月夜草子

□漆黒のドレス
2ページ/9ページ





「………ッ--……」



夜の帳の隙間から、噎せ返すような甘い香りと、熱に狂った艶声。



「ふっ……あ---ッッ!」


「……何?またイッたの?」


「………お願っ――、もう……」


「ふ〜ん。まだ喋れる余裕あるんだ」


「ッ――!」



白く透明な液が光る蜜壺に、グチュリ――…掻き乱すように指を突っ込まれる。


骨ばった長い指を一本、膣の中をなぞるように円を描く。
ゆっくり、ゆっくり―――指を動かす。



「ァ……アッ――…」



すでに散々焦らされ、イかされた体には、全くもの足りない歯痒い快感。



「ッ−…///」


「気持ちいいのは分かるけどさ、あんまり動くなっていつも言ってるよね?」



腰をくねらせる事により、拘束している手足の紐が肌に食い込み、赤い傷が滲む。



「僕以外のもので体に傷を付けたら許さないって、何度言えば分かるのかな?」


「--っ!!?」



膣を掻き回す指をもう一本増やし、白い首筋に思いきり噛み付く。



「痛い方が気持ちいいんだよね?ラクスは」


「……ヤッ--…んァッ、ア!?」



否定したいが、悲しい事に体は正直で………



「ほら、また溢れてくる」



ビリビリした痛みが、体の芯を揺るがす程の快楽を与える。



「指、痛いんだけど」



二本しか指を入れていないのに、この蜜壺はまるで侵入物を食い散らすかのように穴を萎める。



「あんまり言うこと聞かないと、ずっとこのままだよ?」


「--ッ!!」


「またほっとかれたい?」



彼の機嫌を損ね、半端な快楽を与えられたまま放置される事も多い。



「ヤッ--…ヤ……」



必死に力なく首を振ると、空色の瞳から涙が散った。






 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ