月夜草子
□漆黒のドレス
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「………ッ--……」
夜の帳の隙間から、噎せ返すような甘い香りと、熱に狂った艶声。
「ふっ……あ---ッッ!」
「……何?またイッたの?」
「………お願っ――、もう……」
「ふ〜ん。まだ喋れる余裕あるんだ」
「ッ――!」
白く透明な液が光る蜜壺に、グチュリ――…掻き乱すように指を突っ込まれる。
骨ばった長い指を一本、膣の中をなぞるように円を描く。
ゆっくり、ゆっくり―――指を動かす。
「ァ……アッ――…」
すでに散々焦らされ、イかされた体には、全くもの足りない歯痒い快感。
「ッ−…///」
「気持ちいいのは分かるけどさ、あんまり動くなっていつも言ってるよね?」
腰をくねらせる事により、拘束している手足の紐が肌に食い込み、赤い傷が滲む。
「僕以外のもので体に傷を付けたら許さないって、何度言えば分かるのかな?」
「--っ!!?」
膣を掻き回す指をもう一本増やし、白い首筋に思いきり噛み付く。
「痛い方が気持ちいいんだよね?ラクスは」
「……ヤッ--…んァッ、ア!?」
否定したいが、悲しい事に体は正直で………
「ほら、また溢れてくる」
ビリビリした痛みが、体の芯を揺るがす程の快楽を与える。
「指、痛いんだけど」
二本しか指を入れていないのに、この蜜壺はまるで侵入物を食い散らすかのように穴を萎める。
「あんまり言うこと聞かないと、ずっとこのままだよ?」
「--ッ!!」
「またほっとかれたい?」
彼の機嫌を損ね、半端な快楽を与えられたまま放置される事も多い。
「ヤッ--…ヤ……」
必死に力なく首を振ると、空色の瞳から涙が散った。