12/19の日記

21:48
敵は、本 TL
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「ラビっていっつも本読んでるよな〜」

せっかく2人でいるのに、なんて拗ねてみせる。

「アンタが勝手に読書中に来てるだけさ」

「わあ冷たい」

今度は拗ねながらも体を寄せる。2人を乗せたベッドが少しだけ軋んだ。
しかし、ティキが動きを止めると同時にラビも同じ方向へ体を動かしので、結局2人の距離は変わらなかった。

「暇ならアンタも本読んでれば」

ラビは顔も上げずに言い放つ。
2人の足元には、本が何冊か転がっていた。その中の1冊を開いてみることにした。
数分の沈黙。

「ねぇラビ…これ何語?」

「英語。アンタも喋ってるやつさ」

そう、文は確かに英語で書かれていた。
ただ、難しい表現が多数使用されている。ティキには到底理解ができない。

「こんなん読んで面白い?」

「ん」

短い返事が気にくわなかった。
読書中のラビの顔をつかんで無理矢理自分の方を向かせた。
たった数秒見つめ合った後、ラビの顔が隠れてしまう。本の陰に。
ラビが読みかけの本を顔の高さにまで持ち上げて、2人の間に壁を作ったのだ。

「ひどい…」

「あと15分ぐらいで読み終わるから」

ティキが喜んだのは言うまでもない。






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