02/02の日記

20:37
1歩前進? D18
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18Dかも…



修行を始めて何日か経った頃。
さすがに大人しく休憩をとってくれるようになった。
いつもは会話などしないのだが、この日は違った。

「ねぇ」

まず、話しかけられたことに驚いた。

「フルネーム教えて」

「は?」

意味を理解するのに数秒。
理解して、もう一度さっきの倍ぐらいの大きさで同じ1文字を発した。

「そっちの方が便利だから。早く」

「いやいやいや」

焦って待ったをかける。
意味はわかったが、意図はわからない。

「オレの名前知ってるだろ」

「ディーノってファーストネームでしょ」

それとも、ファミリーネームなの?と疑問形で言われるが、問題はそこではない。

「フルネーム知らなくても、ディーノってのだけ知ってれば十分だろ」

「僕にファーストネームで呼べって言うの?」

それともディーノはファミリーネームなんだっけ、と珍しく冗談みたいなことを続けた。
雲雀がどういうつもりで聞いているのかわからないが、ディーノはこう考えた。
オレを名前で呼ぼうとしている!
ここまできたら、ディーノと呼んでもらいたい。何とかして呼ばせようと会話を続ける。

「オレら、もうそれなりに親しいんだしさ…」

そこまで言って気がついた。雲雀がとてつもなく不機嫌な顔をしていることに。
やべっと思った時には手遅れ。

「親しい?誰が?」

ディーノがびびっていると、立ち上がって歩き出す。
そして振り向かないままこう言った。

「早く続きやるよ、跳ね馬」

完全に失敗。
そして、名前で呼んでもらう日は確実に遠のいた。






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