04/16の日記

20:09
照れ屋でヘタレ AL
---------------

「ラビ!海行きましょう!」

任務も終わって後は教団に帰るだけ、と言う状況でのアレンからの提案。
海の近くの町を歩いて回っていたラビは、後ろから追いかけてきたアレンの方を見た。

「船の時間にはまだ早いさ」

「いいから!」

よくわからないままラビは手をひかれて浜辺へ連れて行かれた。
海に入るにはまだ寒いらしく、昼間だと言うのに誰もいなかった。

「アレーン。ここに何かあるんかー?」

「何もないですよー」

波の音に負けないように少し張り上げた声での会話。
未だにアレンのしたいことがわからず、ラビは困っていた。
無言のまま浜辺を歩くこと1、2分。
ラビ、と呼ばれた気がした。

「キスしてください」

波の音に消されそうな声で、振り向いたアレンは言った。

「え…」

ラビが反応に困っていると、繋いだままでいた手を放してアレンは歩いて行ってしまった。
その背中が悲しそうに見えて。
離れていった背中を走って追いかけ、後ろから抱き締めた。

「今はこれで我慢して」

回された腕にびっくりし、名前を呼ぼうとして口を開いたところで言われた言葉。
顔が緩むのを抑えれない。

「照れてるんですか?」

「そっ…そんなんじゃないさ」

そう言って体を離してしまう。
動揺しているのが明らかなのがまた可愛い、と年上には失礼かもしれないことを思い浮かべた。

「アレンなんてもう知らんさ!」

そう言っていきなりずかずかと歩き出してしまう。

「あれ?僕口に出しました?」

可愛いと思い浮かべるだけのはずが、声に出していたらしい。
やってしまったと思いながらも、そんなところが可愛いんだと考えている。
その間にもラビはどんどん離れていってしまった。

「ラビ〜。待ってくださ〜い」

次に2人きりになったらまたお願いしてみようと決意した。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ