短編夢

□盆の入りに。
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気がつくとあたしは、真っ暗な夜の学校を顔も名前も知らない同級生と一緒に“何か”を探して走っていた。


顔も名前も知らない筈なのに、何故か仲よさ気に話しながら走っているのは、あたしと一つ結びの女の子と二つ結びの女の子、それに身長がやけに高い金髪で短髪の男の子と黒目黒髪のごくフツーの男の子。


あたし達は“何か”が何なのか解らないのに探してた。






それから一階は全部探し終わり、二階へ行こうとしたとき
靴箱から一番遠い一階奥のトイレと階段の間で、一つ結びの女の子が吐いた。


聞けば最初から気分が悪かったと言う。
でもあたし達には時間が無いらしく、早くその“何か”を探さなければならないらしい。


どいしようかと迷っていると金髪の男の子が言った。


「こんな所に一人で残すワケにもいかない、先に行け。」と。


時間が無いらしいあたし達は三人で顔を見合わせ頷いた後、二階へと続く階段を上った。







階段を上り終わった頃、三階迄ある事に気付き、二つ結びの女の子と黒髪の男の子が三階を探し、あたしが二階を捜す事になった。


待ち合わせ場所は二階。
今いる階段の反対側の小ホールということになった。




何を探してるのか解らないあたしが小ホールに着くのに時間は掛からなかった。


待ち合わせ場所の小ホールにつくと、やはり電気はついていない。


(そーいえば今迄電気を付けなかったのかな?ずーっと廊下も月の光りで走ってたし。)


そんな事を思いながら、窓の無い小ホールの電気をつけて、残りの顔も名前も知らない仲間を待った。





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