貴女に片想

□再会
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いつもと変わらない生活。大学に行って、バイトして、友達と遊んで、可愛い娘と付き合って…。
ただ違うのは、クラブのカウンターでカクテルを飲む時間が増えた事だ。

「ねぇ充流、聞いてるの?」
ふと我にかえると、恋人ルミの不満顔。
「あぁ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」
何それ〜?とルミはさらに不機嫌な顔になったから耳元に口を寄せて囁いてやる。
「ようするに、ルミの前だと安心出来るって事」
顔を見ると、不満顔ではあるが、僅かに嬉しそうな表情をしている。
「もぅ…充流明日誕生日でしょ?もし明日の夜バイトが無いなら私の部屋でお祝いしない?」
携帯でシフトを確認。明日はバイトは休みだ。
「ごめん、明日バイトは休みなんだけど、ちょっと予定入ってて…。ホントに悪いんだけど」
ルミはそれを聞いて拗ねたようだ。
「何、浮気?」
キツく睨まれて溜め息をついた。
「違うって。ルミみたいな可愛い彼女が居るのに浮気なんてするはず無いだろ」
にこ、と笑いかけると「まぁ仕方ないか」と言ってくれた。

誕生日の夜。またクラブのカウンターの奥の席。彼女に会いたくて、バイトの無い日は毎日クラブに通っている。
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