貴女に片想

□再会
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あれ以後彼女に会った事は無いのだけれど。
カクテルを頼んでから見渡してみても彼女はいない。今日も空振りか…そう思ってみると。
「充流?」
女性の声。ふと見上げると、ストレートのロングヘア。
「弘樹さん…」
にこ、と微笑った彼女は隣りに腰を下ろす。
「やっぱり充流だ。久し振り、奇遇ね」
穏やかな微笑みは、俺の回りいる娘には真似できない、大人の女性特有の物。
「そうですね」
俺も笑ってそう返す。毎日のように待っていたなんて、格好悪くて言えない。
「今日は仕事が早く終わったから来てみたの。会えて嬉しいわ」
ふわりと漂う香りはあの時と同じく、甘い香り。
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