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□Suzaku×Lelouch
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行く手を阻むように横たわる水たまりを軽やかに飛び越えて、スザクは駆けて行く。
まだ水分を多分に含んだ空気はしっとりと絡みつくけれど、そんなことも気にならないほどに、スザクの心は晴れやかだった。
それはもう、頭上に広がる青空にも勝てるくらいに。

少し気を抜けば緩んでしまう頬も、今日ばかりは大目に見て欲しい。
何しろここ数日雨続きで、雨の日は体が怠いから外出はしたくないと言う高飛車な黒猫から、本日漸くデートの了承を取りつけたのである。
浮かれるなという方が無理な話だ。

逸る気持ちを抑えながら、スザクは真っ直ぐに目的地であるクラブハウスを目指した。
空に架かる七色の橋をくぐって、きらきらと舞う水滴の中を駆け抜けて。

もうすぐだ。
高鳴る胸の音が、妙に大きく聞こえてくるようで落ち着かない。
会ったらまずは何と声を掛けようかと、何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返す。
あの気難しい猫の事だから、何かにつけて外に出たがらないのではないかとも、思わなくもない。
付き合いの長さ故、スザクにはそんなことが容易に想像出来る。

けれども、こちらもずっと我慢していたのだ。
彼の意向に沿って。
今日は何としても彼を外に連れ出そう。
それは、スザクの確固たる決意であった。





「ルルーシュ!迎えに来たよ」


笑顔でそう言ったスザクの前には、案の定気乗りしなさそうなルルーシュの姿があったという。



End.

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