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□Suzaku×Lelouch
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じりじりと肌を射すその感覚に、ルルーシュは端正な顔を歪めた。
日差しが痛い。
それでなくとも暑さにはめっぽう弱いというのに、ルルーシュは今、炎天下の砂浜というこの時期もっとも遠慮したい場所に居た。

当然ながら、日差しを凌げるような影など一つもない。
空は忌々しいまでに青々としていて、ルルーシュの機嫌は下がる一方だった。



「ルルーシュ…、せっかく海まで来たんだからもっと楽しそうにしなよ」


パラソルや敷物といった海水浴グッズを肩から下ろし、スザクは不機嫌全開のルルーシュに声を掛けた。
が、眉間の皺を更に深くしたルルーシュに、スザクは深々と溜め息をついてみせる。
それが癇に障ったのか、ルルーシュはつんとそっぽを向いてしまった。
完全に臍を曲げてしまったらしい
ルルーシュの様子に、スザクはやれやれという風に肩をすくめ、彼の為に日陰を用意すべくパラソルを広げる。
カラフルな模様のそれを砂浜に立て、その下に椅子と敷物も準備した。

当然の如くルルーシュはどっかりとそこへ腰を下ろし、その長い足を組む。
もう動かないと言わんばかりの彼の様子にスザクは苦笑を浮かべた。
ルルーシュらしいといえばらしいのだから、別にいいのだけれど。
そんな所も含めて好いているのだから、どうしようもない。



こと、ルルーシュに関しては必要以上に甘いことを自覚しているスザクだから、今も暑さの所為で虫の居所の悪い彼の機嫌を取るべくよく冷えたジュースやら買い込み戻ってきたのだった。


「ほら、ルルーシュ」

「…遅い」


ぶすっと膨れながら、しっかりとジュースは受け取るルルーシュが可笑しくて、スザクは思わず吹き出していた。
怪訝そうに眉を顰めるルルーシュにごめんと謝り、彼の隣り、完全に日向にスザクは腰を下ろす。
ルルーシュ曰く、荷物すら太陽の下に晒したくないのだとか。
そうなると必然的にスザクが追いやられることになるのだ。


「ね、ルルーシュ」


言いながらスザクは、パラソルの中で読書を始めようとしていたルルーシュを抱き上げる。


「ほぁあああ!?」


ルルーシュの素っ頓狂な悲鳴をさらりと無視して、スザクは彼を横抱きに抱えたまま海の方を目指していた。


「下ろせ!スザク!!」

「まぁまぁ、せっかくなんだし海入ろうよ」


じたばたと暴れるルルーシュを軽々と抱き、生温くなっている海水へと入っていく。


「ふざけるな!!今すぐ下ろせ!!」

「いいから、ね?」


腰辺りに波を感じてスザクの首に抱きつくルルーシュに笑いながら、スザクは彼との海水浴を心置きなく楽しんだのだった。
後日手酷いしっぺ返しを食らってしまうのは、また別の話だ。




End.


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