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□Suzaku×Lelouch
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「あ!ルルーシュ帽子が!!」

「す、すまない。スザク」


急に強く吹いた風に飛ばされた帽子を、スザクがすんでの所で捕まえた。
日増しに暖かくなっていく日々は、春特有の突風も連れてくる。
天気が良いからと連れ出され、ルルーシュはスザクに連れられ近くの公園へと来ていた。



日当たりの良いベンチに腰掛け、何をするともなくぼんやりと辺りを見つめていたルルーシュの頬に、ふとひやりとした感触が伝わる。
思わず揺らした肩に小さな笑い声が聞こえ、ルルーシュは口をへの字にまげてそちらを見やった。


「びっくりした?」

「いきなり何なんだ。全く」

「だってルルーシュがぼーっとしてるからさ。珍しいね」

「俺だってぼーっとくらいする」


憮然と言ってそっぽを向いたルルーシュにスザクはまた笑って、その華奢な肩にしな垂れかかる。
相変らず薄い体だと思いながら、スザクはルルーシュを腕の中に閉じ込めた。


「おい、重いぞ」

「だって、まだ風冷たくない?」

「そう言いながらお前の買ってきたものはコールドドリンクだったな」

「あれ、そんなに冷たかったんだ」


口調の端にちくちくと棘を含む物言いをするルルーシュはスザクの逆を向いたままで、こちらを見ようともしない。
余程スザクの些細な悪戯がお気に召さなかったようだ。


「大丈夫だよ、僕が暖めてあげるから」


言いながらスザクはルルーシュの体をぎゅっと抱き締める。


「馬鹿が!!」


そう悪態をつきながらも、スザクの腕から逃げようとしない所を見ると、ルルーシュの方も満更ではないのだろう。
スザクはにやける顔をルルーシュの肩に埋めて、彼の痩躯を一層抱き締めたのだった。



End.

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