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□Clovis×Lelouch
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空はとてもよく晴れています。
ナナリーもユフィも可愛いです。
クロヴィス兄さんはまた負けています。
アリエスの離宮は今日も平和です。





「チェックメイト」


ルルーシュの小さな手が白のナイトを動かした瞬間、勝敗は決した。
逃げ場を失くした自陣のキングを見下ろし、クロヴィスはがっくりと項垂れる。
連敗記録などという不名誉極まりない記録を、またしても更新してしまった。

そもそもルルーシュにチェスを教えたのはクロヴィスの方だった筈なのに、今では立場が逆転している。
そういえば、始めてルルーシュとチェスをした時もクロヴィスの負けだったのだから、教えたとは言い難いのだが。
ともかく、未だかつてクロヴィスが勝った例はないのだ。



「ルルーシュ、もう一回だ」


たっぷり数十秒、無残な盤面を見やってから、クロヴィスはそう切り出した。


「これで3回目ですよ。クロヴィス兄さん」


呆れたように言う異母弟に、クロヴィスは大人気なくも唇を尖らせてムッとした表情を見せる。


「まだ時間はあるだろう?」


「それはそうですけど…」


「なら、問題ないじゃないか」


言うやいそいそと駒を並べ直すクロヴィスを見ながら、ルルーシュは深々と溜め息をついたのだった。




結局、再戦も空しく更に記録を更新することとなったクロヴィスに、ルルーシュはどう言葉を掛けようか思案する。
下手に神経を逆撫でして機嫌を損ねても面倒だ。
何かないかと探していたところ、クロヴィスの方から口を開いた。


「また、私の負けだな」


「あの…」


「不甲斐ない兄だな、私は」


いつになくしゅんとするクロヴィスに、ルルーシュの方が焦る。
自分とのチェス以外に何かあったのだろうかと、心配にすらなってきた。



「だが、次は私が勝つ!」


慰めてやろうとルルーシュがその手を伸ばした瞬間、俯けていた顔を上げ、クロヴィスはびしっとルルーシュを指差してそう言い放ったのだった。
しおらしかったのは一瞬だけかと、ルルーシュが舌打ちをする。
少しでも慰めてやろうなどと思った自分が馬鹿だった。
よくよく考えれば、天真爛漫を絵に描いたようなクロヴィスがこの程度のことで気落ちするのなら、とっくにしていただろう。



「次も返り討ちにしてみせますよ。兄さん」



そう言ってフンと鼻を鳴らすルルーシュに、クロヴィスは微笑んでお茶にしようと席を立った。
それを追いかけてルルーシュも妹達の待つテーブルへと向かったのだった。





End.


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