ぴりりとした痛みを頬に感じながら、スザクは真っ白な息を吐く。
いつの間にか移り変わった季節は冬を迎え、どことなく足早に通りすぎいて行く人々を横目に、手元の時計に視線を落とした。
待ち合わせの時刻はとうに過ぎている。
時間に厳しい待ち人の遅刻に若干不安を抱き、スザクの心は落ち着きなく焦りだす。
大丈夫、何かあれば連絡くらいくれるだろうと自分に言い聞かせ、もう一度時計を見やった。



小一時間は待っただろうか。
少しずつ目の前を行く人がまばらになり始めた頃、スザクの目が彼の人を捕らえたのは。


「スザク!!」


息を切らせて駆け寄るルルーシュを、スザクは安堵の息と共に迎えた。


「すまない!急にナナリーが熱を出して…!でもお前と連絡取れないし…!」


肩で息をしながら切れ切れに話すルルーシュに、スザクは眉を下げて首を振る。


「ううん。仕方ないよ、携帯持ってない僕が悪いんだし…それよりナナリー大丈夫?」

「あぁ、今は落ち着いている」

「そっか、でも心配だし…今日はルルーシュの家に行こっか」

「…いいのか?」

「もちろん!」


頷くスザクに、ルルーシュがほっと息をついた。
ナナリーの事が心配で仕方ないくせに、それでもスザクの所へ来てくれたあたり彼らしくて、スザクはこっそりと微笑んだ。
ナナリーへのお土産はどうしようかと巡らせながら、冷えた手を繋いでイルミネーションの街を離れたのだった。



End.
  






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